RPM(8) RPM(8) 名前 rpm - RPM パッケージマネージャ 書式 パッケージの検索と検査: rpm {-q|--query} [select-options] [query-options] rpm {-V|--verify} [select-options] [verify-options] rpm --import PUBKEY ... rpm {-K|--checksig} [--nogpg] [--nopgp] [--nomd5] * PACKAGE_FILE ...* パッケージのインストール・アップグレード・削除: rpm {-i|--install} [install-options] PACKAGE_FILE ... rpm {-U|--upgrade} [install-options] PACKAGE_FILE ... rpm {-F|--freshen} [install-options] PACKAGE_FILE ... rpm {-e|--erase} [--allmatches] [--nodeps] [--noscripts] [--notriggers] [--test] PACKAGE_NAME ... その他: rpm {--initdb|--rebuilddb} rpm {--addsign|--resign} PACKAGE_FILE ... rpm {--querytags|--showrc} rpm {--setperms|--setugids} PACKAGE_NAME ... select-options(選択オプション) [PACKAGE_NAME] [-a,--all] [-f,--file FILE] [-g,--group GROUP] [-p,--package PACKAGE_FILE] [--hdrid SHA1] [--pkgid MD5] [--tid TID] [--querybynumber HDRNUM] [--triggerdby PACKAGE_NAME] [--whatprovies CAPABILITY] [--whatrequires CAPABILITY] query-options(検索オプション) [--changelog] [-c,--configfiles] [-d,--docfiles] [--dump] [--filesbypkg] [-i,--info] [--last] [-l,--list] [--provides] [--qf,--queryformat QUERYFMT] [-R,--requires] [--scripts] [-s,--state] [--triggers,--triggerscripts] verify-options(検査オプション) [--nodeps] [--nofiles] [--noscripts] [--nodigest] [--nosignature] [--nolinkto] [--nomd5] [--nosize] [--nouser] [--nogroup] [--nomtime] [--nomode] [--nordev] install-options(インストールオプション) [--aid] [--allfiles] [--badreloc] [--excludepath OLDPATH] [--excludedocs] [--force] [-h,--hash] [--ignoresize] [--ignorearch] [--ignoreos] [--includedocs] [--justdb] [--nodeps] [--nodigest] [--nosignature] [--nosuggest] [--noorder] [--noscripts] [--notriggers] [--oldpackage] [--percent] [--prefix NEWPATH] [--relocate OLDPATH=NEWPATH] [--replacefiles] [--replacepkgs] [--test] 説明 rpm は強力な パッケージマネージャ であり、個々のソフトウェアパッケージを ビルド・インストール・検索・検査・更新・削除するのに使うことが できる。 パッケージ はファイルのアーカイブと、アーカイブされたファイルの インストール・アンインストールに使われるメタデータからなる。 メタ データは補助スクリプト、ファイル属性、 そしてパッケージの説明に関する情報からなる。 パッケージ には 2 種類ある。 インストールするための ソフトウェアをカプセル化するのに使われるバイナリ パッケージと、バイナリパッケージを生成するのに必要なレシピとソースコード からなるソースパッ ケージである。 以下の基本モードのいずれかが選択されなければならない: 検索、 検査、 署名の検査、 インストール/アップグレード/更新、 アンインストール、 データベースの初期化、 データベースの再作成、 再署名、 署名の追加、 所有者/グループの設定、 検索タグの表示、 設定の表示。 共通のオプション 次のオプションはすべてのモードで使用することができる。 -?, --help 使い方を通常のものよりも長く表示する。 --version 使用される rpm のバージョン番号からなる 1 行を表示する。 --quiet できるだけ少なく表示する。 通常は、エラーメッセージだけが表示される。 -v より多くの情報を表示する。 通常は、ルーチンの進捗メッセージが表示される。 -vv 沢山の汚いデバッグ情報を表示する。 --rcfile FILELIST コロン(`:')で区切られた FILELIST の各ファイルは、設定情報として rpm によって順番に読み込まれる。 FILELIST のデフォルトは /usr/lib/rpm/rpmrc:/usr/lib/rpm/<vendor>/rpmrc:~/.rpmrc である。 --pipe CMD rpm コマンドの出力を CMD へパイプする。 --dbpath DIRECTORY データベースのパスに、デフォルトの /var/lib/rpm ではなく DIRECTORY を使う。 --root DIRECTORY すべてのオプションに対し、 DIRECTORY をルートとしたファイルシステムを使う。 これは、 依存性のチェックとすべてのスク リプト(群) (例えば、パッケージインストール時の %post や、パッケージビルド時の %prep など)が DIRECTORY に chroot(2) した後で、 DIRECTORY 内にあるデータベースが使用されることを意味する。 インストールとアップグレードのオプション rpm をインストールするコマンドの一般的な形式は: rpm {-i|--install} [install-options] PACKAGE_FILE ... これは新しいパッケージをインストールする。 アップグレードするコマンドの一般的な形式は: rpm {-U|--upgrade} [install-options] PACKAGE_FILE ... これは現在インストールされているパッケージを新しいバージョンに アップグレードするか、パッケージをインストールする。 新しいパッケージがインス トールされたら他のすべてのバージョンのものが 削除されることを除けば、インストールと同じである。 rpm {-F|--freshen} [install-options] PACKAGE_FILE ... これは以前のバージョンが、現在インストールされている場合にのみ パッケージを更新する。 PACKAGE_FILE には ftp または http の URL を指定することが可能で、その場合にはパッケージをインストールする前に ダ ウンロードする。 rpm 内部での ftp と http のサポートについての情報は FTP/HTTP オプション の節を参照のこと。 --aid 指定されたパッケージを、必要があればトランザンクションに加える。 --allfiles パッケージ内の missingok ファイルを、存在する/しないにかかわらず インストールまたはアップグレードする。 --badreloc --relocate と一緒に使われると、パッケージ再配置のヒント(群)の中にその OLDPATH が含まれていなくても、すべて のファイルパスの再配置を許可する。 --excludepath OLDPATH パスの名前が OLDPATH で始まるファイルをインストールしない。 --excludedocs (man ページ、tenxinfo 文書を含めた)文書であるとマーク付されたファイルを インストールしない。 --force --replacepkgs, --replacefiles, --oldpackage の組み合わせに同じ。 -h, --hash パッケージアーカイブから取り出されるにつれ、50個のハッシュマーク("#") を表示する。 -v|--verbose と一緒に使 えば、よりよい表示が得られる。 --ignoresize パッケージをインストールする前に、ディスクに十分な空きがあるかの チェックをファイルシステムに対して行わない。 --ignorearch バイナリパッケージのアーキテクチャと、そのホストのアーキテクチャが 一致しなくても、インストールやアップグレードを行う。 --ignoreos バイナリパッケージのOSと、そのホストのOSが一致しなくても、 インストールやアップグレードを行う。 --includedocs 文書ファイルをインストールする。これはデフォルトの動作である。 --justdb データベースだけを更新し、ファイルシステムを更新しない。 --nodigest 読み込み時にパッケージまたはへッダのダイジェストを検査しない。 --nosignature 読み込み時にパッケージまたはへッダの署名を検査しない。 --nodeps パッケージのインストールやアップグレードの前に、依存性のチェックをしない。 --nosuggest 不明な依存性を解消するパッケージ(群)を提案しない。 --noorder パッケージのインストール順を変更しない。 通常は依存性を満たすために、パッケージのリストは並び替えられる。 --noscriopts --nopre --nopost --nopreun --nopostun それぞれ同じ名前を持ったスクリプトを実行しない。 --noscripts オプションは --nopre --nopost --nopreun --nopostun に等しく、対応する %pre, %post, %preun, %postun スクリプト(群)を実行しない。 --notriggers --notriggerin --notriggerun --notriggerpostun 指定された種類のトリガースクリプトを実行しない。 --notriggers オプションは --notriggerin --notriggerun --notriggerpostun に等しく、対応する %triggerin, %triggerun, %triggerpostun スクリプト(群)を実行しない。 --oldpackage 新しいパッケージをそれより古いパッケージでアップグレードできるようにする。 --percent パッケージアーカイブからファイルが取り出されるにつれて、 その割合をを表示する。 これは rpm が他のツールから実行されるのを 容易にすることを意図している。 --prefix NEWPATH 再配置可能なバイナリパッケージにおいて、パッケージの再配置ヒント(群)にある インストールプレフィックスで始まるファイルのパス を、 NEWPATH に置き換える。 --reloacte OLDPATH=NEWPATH 再配置可能なバイナリパッケージにおいて、パッケージの再配置ヒント(群)にある OLDPATH で始まるファイルのパスと NEWPATH で置き換える。 パッケージ内で、複数の OLDPATH が再配置されなければならないのなら、 このオプションを繰 り返し指定することができる。 --replacefiles 既にインストールされた他のパッケージのファイルを置き換えてしまう場合でも、 パッケージをインストールする。 --replacepkgs 指定されたパッケージのうちのいくつかがシステムに既にインストール されていても、パッケージをインストールする。 --test パッケージをインストールせず、単にチェックと、 潜在的な衝突の報告を行う。 削除のオプション rpm を削除するコマンドの一般的な形式は: rpm {-e|--erase} [--allmatches] [--nodeps] [--noscripts] [--notriggers] [--test] PACKAGE_NAME ... 以下のオプションが使用できる: --allmatces PACKAGE_NAME に一致するすべてのバージョンのパッケージを削除する。 --nodeps パッケージをアンインストールする前に依存性のチェックをしない。 --noscripts --nopreun --nopostun それぞれ同じ名前を持ったスクリプトを実行しない。 --noscripts オプションは --nopreun --nopostun に等しく、対応する %preun と %postun スクリプト(群)を実行しない。 --notriggers --notriggerun --notriggerpostun 指定された種類のトリガースクリプトを実行しない。 オプション --notriggers は --notriggerun --notriggerpostun に等しく、対応する %triggerun と %triggerpostun スクリプト(群)を実行しない。 --test 実際には何もアンインストールせず挙動だけを見せる。 オプション -vv と共に使えばデバッグに有効である。 検索オプション rpm 検索の一般的な形式は: rpm {-q|--query} [select-options] [query-options] 表示されるパッケージ情報の書式を指定することができる。 そうするためには、 --qf|--queryformat QUERYFMT オプションを使う。 QUERYFMT が書式文字列である。検索の書式は、標準的な printf(3) の書式の修正である。書式は静的な文字列 (改行・タブ・その他の特殊文字の、C 言語の標準的な文字エスケープを含む)と、 printf(3) 型の書式文字列からなる。 しかし rpm は表示する型を既に知っているので、型指定は省略されるべきである。 代わりに {} で囲まれた、表示されるへッダーのタグ名が使用される。 タグ名 に大文字/小文字の区別はなく、タグ名の先頭の RPMTAG_ 部分も省略することができる。 以下の :typetag を付加したタグによって、代替の出力書式を要求できる。 現在、以下の種別がサポートされている: :armor 公開鍵をASCII文字で表示する。 :base64 バイナリデータを base64 で符号化する。 :date strftime(3)の "%c" 書式を使う。 :day strftime(3)の "%a %b %d %Y" 書式を使う。 :depflags 依存フラグで表示。 :fflags ファイルフラグで表示。 :hex 16進数で表示。 :octal 8進数で表示。 :perms ファイルの許可属性で表示。 :shescape スクリプト内で使えるようにシングルクォート(')でエスケープする。 :triggertype トリガーの種類を表示。 例えば、検索結果のパッケージ名だけを表示したければ、書式文字列として %{NAME} を使えばよい。 2 カラムでパッケージ名とディストリ ビューション情報を表示したければ %-30{NAME}%{DISTRIBUTUIN} を使えばよい。 (訳注: 端末によっては末尾に \n が 必要である)。 引数 --querytags をつけて rpm を実行すれば、使用できるタグすべてを表示することができる。 検索のためのオプションは2種類に分けられる。 パッケージの選択と、(訳注: 表示するための)情報の選択である。 PACKAGE_NAME インストールされている PACKAGE_NAME という名前のパッケージを検索する。 -a, --all インストールされているすべてのパッケージを検索する。 -f, --file FILE FILE を所有するパッケージを検索する。 -g, --group GROUP グループが GROUP であるパッケージを検索する。 --hdrid* SHA1* 与えられたへッダー識別子、 すなわち書き換え不可能なへッダ領域に SHA1 ダイジェストををもつパッケージを検索す る。 -p, --package PACKAGE_FILE (インストールされていない)パッケージ PACKAGE_FILE を検索する。 PACKAGE_FILE には ftp または http の URL 形式で指定することができ、 その場合にはパッケージへッダーがダウンロードされ て検索される。 ftp と http のクライアントに関する rpm 内部でのサポートについては FTP/HTTP OPTIONS を参照のこと。 PACKAGE_FILE 引数(群)がバイナリパッケージでなければ、それが ASCII 形式の パッケージのリストを表わすものと解釈される。 パッケージのリストファイルでは、'#' で始まる 行はコメントである。 各行には空白で区切ったパス名展開式が指定可能で、 展開されたパスは、検索する PACKAGE_FILE 引数への追加として置換される。 パス名展開式には URL のリモートのパス名展開も使うこ とができる。 --pkgid* *MD5** 与えられたパッケージ識別子、 すなわちへッダーと内容物との組み合わせが MD5 ダイジェストををもつパッケージを検 索する。 --querybynumber* *HDRNUM** データベースの HDRNUM 番目のエントリを直接検索する。 デバッグにのみ有効である。 --specfile* *SPECFILE** SPECFILE をそれがパッケージであるかのように解析し、検索する。 すべての情報が利用できるわけではない(たと えばファイル一覧)にもかかわらず、 spec ファイルの解析器を書くこと無しに spec ファイルから情報を取り出 すことが この種の検索で可能である。 --tid* *TID** 与えられたトランザクション識別子 TID を持つパッケージ(群)を検索する。 現在のところ、unix 時間がトラン ザクション識別子として使われている。 一つのトランザクションでインストール・削除されたパッケージ(群)は、 すべて 共通の識別子を持つ。 --triggerdby* *PACKAGE_NAME** パッケージ(群) PACKAGE_NAME によってトリガーされるパッケージを検索する。 --whatprovides* *CAPABILITY** CAPABILITY 能力を提供するパッケージを検索する。 --whatrequires* *CAPABILITY** 適切に機能するために CAPABILITY を必要とするパッケージを検索する。 --changelog パッケージの更新情報を表示する。 -c, --configfiles 設定ファイルのみを表示する (-l を指定したものとみなす)。 -d, --docfiles 文書ファイルのみを表示する (-l を指定したものとみなす)。 --dump 以下の形式でファイル情報をダンプする (-l を指定したものとみなす)。 パス サイズ 修正時刻 md5ダイジェスト モード \ 所有者 グループ 設定ファイル 文書ファイル \ ルートデバイス シンボリックリンク --filesbypkg 選択されたパッケージごとにファイルを表示する。 -i, --info 名前、バージョン、説明を含めたパッケージ情報を表示する。 これは --queryformat を内部で使用してい る。 --last パッケージをインストール時刻順に、 最新のパッケージが先頭になるような順で並べる。 -l, --list パッケージ内にあるファイルを表示する。 --provides そのパッケージが提供する能力を表示する。 -R, --requires そのパッケージが依存するパッケージを表示する。 --scripts インストール・アンインストールの過程で使用される、 パッケージ固有のスクリプトを表示する。 -s , --state パッケージ内のファイルの 状態 を表示する (-l を指定したものとみなす)。 各ファイルの状態は normal(正常), not installed(インストールされていない), replaced(置き換えられ た) のいずれかである。 --triggers, --triggerscripts パッケージにトリガースクリプトが含まれれば表示する。 検査オプション rpm を検査するコマンドの一般的な形式は: rpm {-V|--verify} [select-options] [verify-options] パッケージの検査では、 パッケージ内のインストールされたファイルに関する情報と、 rpm データベースに格納されているパッケージのメタデータか ら得られた ファイルに関する情報とを比較する。 とりわけ、ファイルのサイズ、MD5 チェックサム、許可属性、タイプ、 所有者、グループを比較す る。 インストール時に --excludedocs オプションを使ったために除外された文書ファイルのように、 パッケージからインストールされて いないファイルは静かに無視される。 パッケージ選択オプションは、パッケージ検索のためのものと (パッケージのリストファイルを引数に指定できることも含め) 一緒である。 その他 の、検査モード固有のオプションは: --nodeps パッケージの依存性について検査しない。 --nodigest 読み込み時にパッケージやへッダーのダイジェスト値を検査しない。 --nofiles パッケージ内のファイルのいかなる属性も検査しない。 --noscripts %verifyscript がもし存在しても実行しない。 --nosignature 読み込み時にパッケージやへッダーの署名を検査しない。 --nolinkto --nomd5 --nosize --nouser --nogroup --nomtime --nomode --nordev それぞれ関連するファイル属性を検査しない。 出力の形式は 9 個の文字と属性マーク、その後ろにファイル名である。 パッケージのへッダーから得られる属性マークは: c %config 設定ファイル。 d %doc 文書ファイル。 g %ghost ファイル(すなわち、パッケージの内容物としては含まれていないファイル)。 l %license ライセンスファイル。 r %readme readme ファイル。 各 9 個の文字は、ファイルの属性とデータベースに記録されているその属性の 値との比較の結果を意味している。 一つの . (ピリオド) はテス トを通過したこと意味し、一つの ? (クエスチョンマーク) はテストが実施されなかった (すなわち、ファイルパーミッションにより読み込めな かった) ことを意味する。でなかれば、 (記憶を助けるために、ボールド化 (emBoldened) されている)文字は関連する --verify テストに失敗したことを意味する: S ファイルのサイズ (Size) が異なる M モード (Mode; 許可属性とファイルの種類) が異なる 5 MD5 チェックサムが異なる D デバイス (Device) のメジャー/マイナー番号が一致しない L readLink(2) したパスが一致しない U 所有者 (User) が異なる G グループ (Group) が異なる T 修正時刻 (mTime) が異なる 電子署名とダイジェストの検査 rpm の電子書名の一般的な形式は: rpm --import PUBKEY ... rpm {-K|--checksig} [--nogpg] [--nopgp] [--nomd5] * PACKAGE_FILE ...* --checksig オプションは、 パッケージの完全性と出所を確認するために PACKAGE_FILE に含まれるすべてのダイジェスト値と署 名をチェックする。 現在ではパッケージが読み込まれたときはいつでも署名が検査される。 --checksig の方はパッケージに付随するすべての ダイジェスト値と署名を 検査するのに有効である。 公開鍵がなければ電子署名の検査はできない。 --import を使えば rpm データベースに ASCII 形式での公開鍵を追加できる。 取り 込まれた公開鍵はあるへッダーへと運ばれ、 パッケージ管理のように厳密な鍵リング管理が実行される。 例として、その時点で取り込まれているすべての 公開鍵は以下を実行することで 表示できる。 rpm -qa gpg-pubkey* (訳注: 多くの場合 "*" はシェルによってメタ文字として解釈されるので、 実際には rpm -qa "gpg-pubkey*" のように クォーティングする必要がある) 取り込んだ、特定の公開鍵に関する詳細は検索によって表示することができる。 Red Hat の GPG/DSA 鍵に関する情報は: rpm -qi gpg-pubkey-db42a60e 最後に、パッケージでそうできるように、取り込んだ公開鍵を削除することができる。 以下は Red Hat の GPG/DSA 鍵を削除する。 rpm -e gpg-pubkey-db42a60e パッケージへの署名 rpm {--addsign|--resign} PACKAGE_FILE ... オプション --addsign と --resign の両方とも、与えられた各パッケージ PACKAGE_FILE に対する新たな署名を生成・ 挿入し、既に存在する署名があれば置き換える。 歴史的な理由により二つのオプションが存在するが、 現在ではその動作に違いはない。 パッケージへの署名に GPG を使用する GPG を使ってパッケージに署名するためには、 rpm が GPG を実行するように設定されていなければならず、また、 適切な鍵で鍵リングを探 すことができなければならない。 rpm はデフォルトで、 GPG が鍵の環を探すのと同じ規則、すなわち環境変数 $GPGPATH を使用する。 GPG が期待する場所に鍵リングが無い場合には、 使用する GPG 鍵リングの場所を %_gpg_path マクロに設定する必要がある。 過去のバージョンの GPG, PGP, rpm との互換性のために、 V3 OpenPGP 署名パケットのみが設定されなければならない。 DSA と RSA の検査アルゴリズムのどちらも使うことができるが、 DSA の方が好ましい。 作成したパッケージに自分自身で署名できるようにしたければ、 公開鍵と秘密鍵のペアを作成しておくことも必要である (GPG のマニュアルを見るこ と)。 また、以下の rpm マクロを設定することも必要であろう。 %_gpg_name パッケージに署名するのに使用したい鍵のユーザ名。 例えば、実行ファイルが /usr/bin/gpg で、鍵リングが /etc/rpm/.gpg にあり、その中のユーザ "John Doe <jdoe@foo.com>" としてパッケージに GPG を使って署名する場合には %_gpg_path /etc/rpm/.gpg %_gpg_name John Doe <jdoe@foo.com> %_gpgbin /usr/bin/gpg をマクロの設定ファイルに含めれば良い。 システム全体の設定には /etc/rpm/macros を、ユーザごとの設定には ~/.rpmmacros を使用する。 データベース再作成オプション データベースを再作成するコマンドの一般的な形式は: rpm {--initdb|--rebuilddb} [-v] [--dbpath DIRECTORY] [--root DIRECTORY] 新たなデータベースを作成する場合には --initdb を使い、インストールされているパッケージのへッダーから データベースのインデックスを再 作成するには --rebuilddb を使用する。 SHOWRC コマンド rpm --showrc は、 rpm が使用するすべてのオプションの値を表示する。 値はファイル rpmrc と macros で設定される。 FTP/HTTP オプション インターネットからパッケージを検索したりインストールできるようにするために、 rpm は FTP と HTTP のクライアントとして動作するこ とができる。 インストール、アップグレード、検索するパッケージファイルは 以下の ftp または http スタイルの URL で指定すること ができる。 ftp://USER:PASSWORD@HOST:PORT/path/to/package.rpm もし :PASSWORD の部分が省略された場合には、パスワードが (ユーザ/ホスト名の組合わせごとに)尋ねられる。 ユーザとパスワードの両方 が省略された場合には、 anonymous(匿名) ftp が使用される。すべての場合において パッシブ (PASV) ftp 転送が利用され る。 ftp URL において、 rpm では次のオプションが可能である。 --ftpproxy* HOST* プロキシを用いたファイアウォールを通してユーザが ftp できるように、 すべての ftp 転送にホスト HOST はプロキシ サーバーとして使用される。 マクロ %_ftpproxy の設定でも、このオプションを指定することができる。 --ftpport* PORT* デフォルトのポートの代わりに、プロキシ ftp サーバの ftp 接続に使用する TCP PORT (ポート)番号。 マクロ %_ftpport の設定でも、このオプションを指定することができる。 http URL において、 rpm では次のオプションが可能である。 --httpproxy* HOST* すべての http 転送にホスト HOST はプロキシサーバーとして使用される。 マクロ %_httpproxy の設定でも、こ のオプションを指定することができる。 --httpport* PORT* デフォルトのポートの代わりに、http プロキシサーバの接続で使用する TCP PORT (ポート)番号。 過去の遺産 rpmbuild の実行 rpm のビルドモードは、現在では /usr/bin/rpmbuild に含まれる。 過去との互換性は以下の popt によるエイリアスによっ て提供され、 それはまずまずではあるが完全ではない。 よって popt のエイリアスを使ったビルドモードの互換性は、 rpm から取り除かれつ つある。 以前の rpm(8) に記述されていた rpm ビルドモードについてのすべての文書は、 rpmbuld パッケージをインストールし rpmbuild(8) を参照すること。 これからも rpm のコマンドラインから rpmbuild を呼び出したければ、以下の行を /etc/popt に加えればよい。 rpm exec --bp rpmb -bp rpm exec --bc rpmb -bc rpm exec --bi rpmb -bi rpm exec --bl rpmb -bl rpm exec --ba rpmb -ba rpm exec --bb rpmb -bb rpm exec --bs rpmb -bs rpm exec --tp rpmb -tp rpm exec --tc rpmb -tc rpm exec --ti rpmb -ti rpm exec --tl rpmb -tl rpm exec --ta rpmb -ta rpm exec --tb rpmb -tb rpm exec --ts rpmb -ts rpm exec --rebuild rpmb --rebuild rpm exec --recompile rpmb --recompile rpm exec --clean rpmb --clean rpm exec --rmsource rpmb --rmsource rpm exec --rmspec rpmb --rmspec rpm exec --target rpmb --target rpm exec --short-circuit rpmb --short-circuit ファイル rpmrc 設定 /usr/lib/rpm/rpmrc /usr/lib/rpm/<vendor>/rpmrc /etc/rpmrc ~/.rpmrc マクロ設定 /usr/lib/rpm/macros /usr/lib/rpm/<vendor>/macros /etc/rpm/macros ~/.rpmmacros データベース /var/lib/rpm/Basenames /var/lib/rpm/Conflictname /var/lib/rpm/Dirnames /var/lib/rpm/Filemd5s /var/lib/rpm/Group /var/lib/rpm/Installtid /var/lib/rpm/Name /var/lib/rpm/Packages /var/lib/rpm/Providename /var/lib/rpm/Provideversion /var/lib/rpm/Pubkeys /var/lib/rpm/Removed /var/lib/rpm/Requirename /var/lib/rpm/Requireversion /var/lib/rpm/Sha1header /var/lib/rpm/Sigmd5 /var/lib/rpm/Triggername 一時ファイル /var/tmp/rpm* 関連項目 popt(3), rpm2cpio(8), rpmbuild(8), http://www.rpm.org/ 著者 Marc Ewing <marc@redhat.com> Jeff Johnson <jbj@redhat.com> Erik Troan <ewt@redhat.com> 09 June 2002 RPM(8)
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